山の神の日とは。「車が林道から落ちた」と聞いてから、毎年仕事を休んでいる

本記事は筆者の林業現場での実務経験および公的機関の情報をもとにした一般的な情報提供を目的としています。症状の判断や治療の代わりとなるものではありません。実際の対応については医療機関・専門家にご相談ください。緊急性が疑われる場合は、ためらわず119番通報してください。
明日、9月16日は「山の神の日」。以前、この日に仕事をしていて車が林道から落ちる事故があった、という話を一度だけ聞いたことがある。それを聞いてから、この日だけは必ず仕事を休んでお参りに行くようにしている。
山の神の日とは、山に入ってはいけないとされる日
山の神の日とは、山の神様が山中の木の数を数えて歩く日とされ、その日に山へ入ると人間まで木に混ざって数えられてしまい、山から帰って来られなくなる(命を落とす)という言い伝えがある日のことだ(Wikipedia「山の神」)。猟師・木樵・炭焼きなど、山を仕事場にしてきた人たちの間で古くから伝わってきた禁忌になる。
日付は地域によってばらつきがある。多いのは「正五九月の十六日」と呼ばれる1月・5月・9月の16日で、ほかに12月12日、旧暦の2月9日と10月9日を充てる地域もある(そう、九戸村、遠野地方森林組合)。熊本県内では9月16日を山の神の日とする林業事業者があり(國武林業)、屋久島でも1月・5月・9月の16日に山へ登らず山の神に感謝と安全祈願をする習わしが今も続いている(屋久島観光協会)。規模の大きい林業事業者でも、この日だけは山に入らず、安全集会や祈願に切り替えるところがある。
一度だけ聞いた、山の神の日に働いて起きた事故
この日を必ず休むようになったきっかけは、一度だけ人づてに聞いた話だった。山の神の日に仕事をしていた人が、車ごと林道から落ちる事故に遭ったという。詳しい経緯までは分からない。ただ、その話を聞いてから、山の神の日にだけは絶対に仕事を入れず、休んで神社にお参りに行くと決めている。
迷信だと言われればそれまでだ。それでも、年に数日だけ「今日は山に入らない」と決めておける日があることには、それ自体の意味があると思っている。理由が言い伝えであっても、体を休め、道具を整備し、一年の安全を振り返る区切りの日になっている。悪天候時に作業を中止する判断と同じで、その場の状況判断に頼らず、あらかじめ決めておいたルールがあること自体が身を守る。
会社や地域によって日付が違うので、自分の現場の慣習を確認しておく
山の神の日は全国共通の日付ではない。同じ県内でも会社によって12月12日を充てているところもあれば、9月16日のところもある。自分の地域・会社ではいつが山の神の日にあたるのか、先輩や地元の森林組合に一度確認しておくと、その日を忘れずに仕事を休める。
明日9月16日、もし山に入る予定を入れていたら、一度立ち止まって、地元の山の神の日にあたっていないか確認してみてほしい。