熱中症

林業現場の熱中症対策。予防のポイントと発症時の応急処置

林業現場の熱中症対策。予防のポイントと発症時の応急処置

本記事は筆者の林業現場での実務経験および公的機関の情報をもとにした一般的な情報提供を目的としています。症状の判断や治療の代わりとなるものではありません。実際の対応については医療機関・専門家にご相談ください。緊急性が疑われる場合は、ためらわず119番通報してください。

スズメバチクマと違い、熱中症は「相手」がいない分、対策を怠りがちな危険です。しかし林業の労働災害の中でも、夏場の熱中症は毎年一定数発生しており、対処が遅れると命に関わります。

林業現場が熱中症になりやすい理由

予防のポイント

作業前

作業中

装備

ただし空調服も万能ではない。予報が外れて蒸し暑さが想定以上だった日には、空調服のファンが生ぬるい空気をかき混ぜているだけのように感じたこともある。装備任せにせず、休憩の頻度で調整する意識は常に必要になる。

参考: 職場における熱中症予防情報(厚生労働省)熱中症予防情報サイト(環境省)

熱中症の症状レベルと対応

症状 レベル 対応
めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返り 軽度 涼しい場所へ移動、水分・塩分補給、経過観察
頭痛、吐き気、倦怠感、判断力の低下 中等度 作業中止、涼しい場所で安静、自力で水分が摂れない場合は医療機関へ
意識障害、けいれん、体温の異常な上昇、呼びかけへの反応が鈍い 重度 迷わず救急要請。到着まで体を冷やす(首・脇の下・太もものつけ根)
熱中症の症状レベル別対応早見図
軽度・中等度・重度の症状と対応の早見図

判断に迷う場合、「様子を見る」を選ばず医療機関に相談する方が安全です。特に中等度以上の症状は悪化が早く、山中では搬送に時間がかかることも念頭に置く必要があります。

現場に常備すべきもの

熱中症は「症状が出てから対応する」より「症状が出る前に休む」方がはるかにコストが低い災害です。空調服とスポーツドリンクを準備していても、極端な高温では防ぎきれなかった事故も起きています。装備を整えたことに安心せず、休憩を時間で区切る習慣とセットで実践してください。

なお、事業者には熱中症対策が罰則付きで義務化されている一方、一人親方や自伐林家にはその義務が及ばない範囲があります。会社員なら制度が守ってくれる部分を、一人で山に入る人は自分の習慣で埋める必要があります。

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この記事を書いた人

藤川翔(屋号:希翔)

造林作業は日陰が少なく、筆者自身も下刈り中に熱中症の初期症状を何度も経験してきた。九州南部の夏場の現場ではとりわけ注意している。

この記事の裏話や、体験の背景はnote(山守ラボ)でも綴っています。