スズメバチ

スズメバチに刺された翌日、腫れが広がってきた。それは治る途中か、悪化のサインか

スズメバチに刺された翌日、腫れが広がってきた。それは治る途中か、悪化のサインか

本記事は筆者の林業現場での実務経験および公的機関の情報をもとにした一般的な情報提供を目的としています。症状の判断や治療の代わりとなるものではありません。実際の対応については医療機関・専門家にご相談ください。緊急性が疑われる場合は、ためらわず119番通報してください。

刺された当日は、赤みと腫れがある程度で済んだ。「軽症で終わった」と一晩安心して眠ったのに、翌朝になって腫れがひと回り大きくなっている。これは治る途中の経過なのか、それとも見過ごしてはいけない悪化のサインなのか。

蜂に刺された症状には、実は「時間差」がある

蜂に刺された症状には、刺されたその場で数十分から数時間のうちに出る即時型と、刺されてから1〜2日後になって現れる遅延型の、大きく2種類がある。即時型は赤み・腫れ・かゆみが中心で、通常は数時間のうちに落ち着く。一方の遅延型は、刺された箇所を中心に赤みと皮膚の盛り上がり(丘疹)が広がり、炎症が強いと水ぶくれができることもある。

蜂に刺された後の即時型反応と遅延型反応のタイムライン
刺された直後の反応と、半日〜2日後に出る反応は別のものと考える

参考: 虫刺され(虫刺症)によるアレルギー反応(池田模範堂)

つまり、刺された直後の4段階(軽症〜重篤)で軽症だったとしても、それで話が終わるとは限らない。翌日以降に出てくる腫れの広がりは、軽症の判定とは別の時間軸で進む、もう一つの反応だということになる。

この遅延型反応は、それ自体は危険ではない

遅延型の反応は、数日から1週間程度で自然に治まっていくのが一般的だ。腫れの見た目が大きくなるとどうしても不安になるが、かゆみを伴う赤みと丘疹が中心で、熱を持たず、日を追うごとに落ち着いていくようなら、経過観察で問題ないケースがほとんどだ。色素沈着が残ることはあっても、命に関わる反応ではない。

それでも受診したほうがいいのは、こんなときだ

問題は、遅延型反応とよく似た見た目で始まる、まったく別の症状がある点だ。蜂に刺された傷口から連鎖球菌やブドウ球菌が入り込んで起こる「蜂窩織炎」という皮膚の細菌感染症で、赤み・腫れ・熱感・痛みという点では遅延型反応と区別がつきにくい。国立長寿医療研究センターは、赤く腫れて熱もある場合、8割程度の確率で蜂窩織炎が疑われるとしたうえで、似た症状でもより重症な病気の可能性があるため自己判断せず医療機関を受診するよう案内している。

参考: 蜂窩織炎(ほうかしきえん)って何?(国立長寿医療研究センター)

見分けの目安になるのは、次のような点だ。

これらに一つでも当てはまるなら、「そのうち治るだろう」で様子を見続けず、皮膚科などの医療機関を受診したほうがいい。

「腫れの大きさ」より「腫れの動き方」を見る

刺された当日の腫れの大きさで一喜一憂するより、翌日以降は腫れがどう動いているかを見てほしい。かゆみ中心でゆっくり引いていくなら心配はいらない。熱を持ちながら日ごとに広がっていくなら、それは治る途中ではなく、別の問題が始まっているサインだ。次に刺されたときは、翌日の腫れの写真を1枚撮っておくといい。前日と比べて広がっているか、熱を持っているか、それだけで多くの判断がつく。

今日、現場で初めて蜂に刺された同僚を見ていて、まさにこの「翌日以降の経過を見る」ことの大事さを痛感した。刺された直後の腫れだけで安心せず、しばらくは注意しておきたい。

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この記事を書いた人

藤川翔(屋号:希翔)

本記事は筆者の直接的な受傷経験ではなく、皮膚科系医療機関・国立長寿医療研究センターの公開情報をもとに構成している。刺された直後の症状の見分け方は別記事(症状の4段階)で詳しく解説しているので、あわせて参照してほしい。

この記事の裏話や、体験の背景はnote(山守ラボ)でも綴っています。