スズメバチ

スズメバチ駆除の費用は2万〜10万円。業者に払うお金は、結局何に使われているのか

スズメバチ駆除の費用は2万〜10万円。業者に払うお金は、結局何に使われているのか

本記事は筆者の林業現場での実務経験および公的機関の情報をもとにした一般的な情報提供を目的としています。症状の判断や治療の代わりとなるものではありません。実際の対応については医療機関・専門家にご相談ください。緊急性が疑われる場合は、ためらわず119番通報してください。

軒下にできたスズメバチの巣を前に、手にはスプレー缶。数千円で買えるこの1本で片付けるか、それとも電話一本で業者を呼ぶか。呼べば2万円から、場所が悪ければ10万円かかると聞いて、迷いが生まれる。

その金額差は、いったい何に対して払っているのだろうか。

実際の相場はいくらなのか

駆除業者各社の公開料金を見ると、軒下など見つけやすい場所にある標準的な巣は2万〜3万円、屋根裏や壁の中など作業が難しい場所では5万〜10万円が相場になっている。オオスズメバチは他のスズメバチより高く、4万〜10万円かかることが多い。

スズメバチ駆除費用の場所・種類別相場
同じ「スズメバチの巣」でも、場所と種類で数万円単位の差が出る

参考: オオスズメバチの駆除相場は4〜10万円(ハチお助け本舗)スズメバチ駆除の費用相場(こくえいPCO)

オオスズメバチが高くなる理由は毒性の強さだけではない。土の中や木の洞といった見つけにくい場所に巣を作るため、気づいたときには巣がかなり大きくなっている。足場の悪い土中、視界の利かない木の洞といった作業環境そのものが、料金に上乗せされている。

自分でやれば数千円、その「安さ」は何を見落としているか

市販の蜂用スプレーは1本2,000〜3,000円程度で買える。防護ネットや手袋を合わせても、防護装備の項で紹介した中価格帯までなら1万円台に収まる。業者に払う金額の数分の一だ。

だがこの「安さ」は、駆除に成功した場合の話でしかない。巣発見時の対応フローアシナガバチ対策で整理した通り、地中の巣・作業エリアの真ん中にある巣・すでに警戒行動を見せている巣は、そもそも自力で近づくべき対象ではない。スプレー1本分の出費で済むかどうかは、財布の中身ではなく、巣の場所と蜂の種類が先に決めている。

業者に払う数万円は、何に対する対価か

業者への依頼料には、駆除そのものの作業費以外にいくつかの要素が含まれている。

自分で駆除して数千円で終わらせられる場面と、業者を呼んで数万円かかる場面は、そもそも同じリスクの土俵にない。数万円の差は、リスクの高い部分を自分の身体で引き受けるか、専門の装備と経験を持つ他人に引き受けてもらうかの差だと考えると分かりやすい。

自治体の補助金を確認してから決める

業者に依頼する場合、自治体の補助金制度を見落としている人が多い。例えば久御山町では、スズメバチの巣の駆除費用の2分の1(上限1万円)を補助する制度がある。同様の制度は全国の多くの自治体にあり、対象はスズメバチに限られ(アシナガバチ・ミツバチは対象外)、業者に依頼した場合のみが対象になるケースがほとんどだ。

参考: スズメバチ駆除費の補助金について(久御山町)

業者を呼ぶと決めたら、依頼する前に一度、市町村役場の環境課や保健所に補助金の有無を確認しておくと、実際の負担額が数千円から1万円ほど変わってくる。

安さで判断すると、天秤が狂う

冒頭のスプレー缶に戻る。安く済ませたい気持ちは当然だが、判断基準を「いくらか」ではなく「これは自分の身体で引き受けていいリスクか」に置き換えると、答えは自然と決まる。数万円の差額は、無駄な出費ではなく、リスクを他人に肩代わりしてもらうための対価だと思えばいい。

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この記事を書いた人

藤川翔(屋号:希翔)

本記事は筆者の直接的な駆除業者への依頼経験ではなく、複数の駆除業者の公開料金・自治体の補助金制度をもとに構成している。

この記事の裏話や、体験の背景はnote(山守ラボ)でも綴っています。