下刈りは1日何ha刈れる?1人あたりの面積と、工数の見積もり方

本記事は筆者の林業現場での実務経験および公的機関の情報をもとにした一般的な情報提供を目的としています。症状の判断や治療の代わりとなるものではありません。実際の対応については医療機関・専門家にご相談ください。緊急性が疑われる場合は、ためらわず119番通報してください。
下刈りで1人が1日に刈れる面積は、だいたい0.1〜0.2ha(1〜2反) です。1haあたりに直すと、5〜10人日(1人が1日働いて1人日)かかる計算になります。
この数字は、林野庁が公表している実測データから出しています。以下で、中身を見ていきます。
1人1日の面積の目安
| 見方 | 数字 |
|---|---|
| 1人1日あたりの面積 | 0.1〜0.2ha |
| 1haあたりの人数と日数 | 5〜10人日 |
| 0.5haを2人で刈る場合 | 1.3〜2.5日 |
| 1haを3人で刈る場合 | 1.7〜3.3日 |
1haは100m×100mの広さで、1反(10a)の10個分です。0.4haなら約4反にあたります。
工数を見積もるときは「面積 × 1haあたりの人日」を、作業する人数で割ります。たとえば0.5haなら、0.5 × 5〜10人日 = 2.5〜5人日。これを2人で割ると、1.3〜2.5日です。
林野庁の実測:1haあたり5.4〜9.6人日
林野庁の資料に、平成28年度に植栽した3地域7か所のうち6か所で下刈りの生産性を測った結果(宮崎県都城市は下刈りを実施していないため数値なし)があります。林野庁「6.4. 下刈りの生産性とコスト」を見ると、1haあたりの人工数(純人工)は次のとおりです。
| 場所 | 1haあたりの人日 |
|---|---|
| 岐阜県高山市(民有林) | 5.41 |
| 高知県四万十町(国有林) | 6.12 |
| 岐阜県高山市(民有林) | 7.07 |
| 茨城県日立市(民有林) | 8.16 |
| 岡山県吉備中央郡(国有林) | 9.61 |
| 茨城県日立市(国有林) | 6.71 |
地域の平均は、関東地方が7人日/ha、中四国地方が8人日/haです。
同じ資料に、林野庁の参考値として「14.25人日/ha」という数字も出てきます。実測した6か所は、その参考値よりどこも大幅に少ない人数で済んでいます。参考値のままで工程を組むと、実際より2倍近く多く見積もることになります。
1haあたり5.4〜9.6人日は、1人1日に直すと0.10〜0.18haです。冒頭の「0.1〜0.2ha」はここから来ています。
面積が増えたり減ったりする条件
林野庁の実測でも、場所によって1haあたりの人日は5.4〜9.6と2倍近い開きがあります。面積に響く条件として、現場でよく挙がるのは次のとおりです。
- 草の量と硬さ:かやが硬い現場は、刃の入りが悪く進みが遅くなります。刃の使い分けは刃の種類と使い分けにまとめました
- ツルの有無:ツルが巻いている場所は、刃に絡んで止まる回数が増えます
- 天気と草の濡れ具合:小雨でかやが濡れていると、かえって刈りやすいことがあります(濡れた萱と乾いた萱の切れ味)
- 作業時間と休憩:急いで動くと疲れが早く、休憩が長くなって1回に刈れる量が減ります。休憩と休憩の間を長くとって、ゆっくり動くほうが結果的に多く刈れる、という声があります
- 人数:何人で入るかで、1日に終わる面積そのものが変わります
見積もりに使うときの注意
林野庁の実測は、平成28年度に植栽した1ha前後の現場のものです。傾斜、草の種類、植栽してから何年目かによって、同じ面積でも必要な人数は変わります。
初めての現場の工数を出すときは、次のように使うのが無難です。
- 最初は1haあたり10人日で見積もる(林野庁の実測の上限に近い値)
- 実際に1日刈ってみて、その日の面積から1人あたりの実績を出す
- 実績を使って、残りの面積の日数を組み直す
明日からやること
- 日報に人数、面積、作業時間を毎回残す(あとで自分の実績から見積もれるようになる)
- 見積もりは1haあたり5〜10人日の幅で考え、初日の実績で絞り込む
- 記録した人日/haを、現場の条件(草の種類・ツル・傾斜)と一緒にメモしておく